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会議場の外の木陰でルートヴィッヒは蹲っていた
その横にギルベルトが寄り添うように座っているとは知る由もなく
ルートヴィッヒは大きなため息を吐いた
「ルッツ…」
名前を呼びルートヴィッヒの頭を撫でた
その声も感触も伝わることはないけれど
「兄さん…」
一瞬どきりとした
ただの独り言だったけれど
ギルベルトは相手の名を呼び返事をした
「兄さんは死んだ…兄さんは…死んだんだ…」
膝に顔を埋めながら自分に言い聞かせるルートヴィッヒ
何も届きはしないと分かっていてもギルベルトはルートヴィッヒを抱きしめた
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