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「鏡堂華月……」
鏡堂って、どっかで聞いたような気がするんだような……
でも、友人にはいないしなぁ……
「ところで由紀、私の寝床はないのか?」
「ん、あぁっと……」
……とりあえず物凄く自分主義だなぁ。
まぁ、減るもんじゃないしいいけどさ。
だが、その話はまだ早いぜ鏡堂嬢!!
「いや、その前にだ。
どういう経緯で俺の部屋に来たのかを簡潔に説明してくれ。
流石に見ず知らずの人と居候するほど俺は優し人間じゃない」
「見ず知らず、か……」
……ん?
なんか顔をわずかに伏せてるけど……落ち込んでるのか?
俺、なんか言ったっけ?
「お前の言うことも最もだ。
ならば、簡潔に説明してやろう」
そう考えていたら、彼女は顔を挙げて何事もなかったかのように振る舞う。
俺の目を、まっすぐ見据えて。
凛とした視線が、俺を射抜く。
一点の曇りすらない、そんな純粋さすらくみ取れるような目。
俺はそれを一瞬ながらかっこいいと思ってしまい――そして俺は戦慄することになる。
この娘が放つ、次の一言によて。
「冴島由紀香(サエジマユキカ)に、ここに匿ってもらえと言われたから来た。」
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