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たいして面白くもないバラエティー番組を見ながら、直輝は晩ご飯を口に運ぶ。
野菜炒めに味噌汁、といった手軽なものだ。
それしか作れない、というのは内緒の話。
レパートリーなんて増やしていけばいいさ、と一人ごちた。
食器を片付けて、ソファーに寝転んだ。新品の革の匂いが落ち着く。
「それにしても、暇だなぁ」
ぐぅ、と伸びをしながら、直輝は今日何度目かの独り言を呟く。
ここまで独り言を言う癖があったと自覚したことはないのだが、これも一人暮らしの影響なのか。
「明日は一限目からだし、風呂入って寝るか」
よっ、と掛け声と共に、直輝は浴室へと向かった。
◆
明日使う教科書を鞄に詰め、ベッドへと潜り込む。春先とはいえ、夜はまだ冷える。
暖まっていく布団に眠気を覚えながら、直輝の意識は落ちていった。
◆
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