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~教員棟~
教員棟、各先生が暮らすのがこの教員棟だ。
基本的に、それぞれの寮にも部屋があって、どちらを使って生活をしても構わないらしい。
物が多くなってしまいがちな専門学科の先生に対しての学校側からの配慮と言う事だろう。
僕は教員棟のチャイムを鳴らす。
教員棟と言うだけあって、生徒で在籍している者は無断で立ち入る事を許可されていない……
チャイムを鳴らして目的の先生を呼び、コミュニケーション室で要件を済ますのが大体の流れになる。
それに無断で入ろうとしても、カードキー認識の近代的なドアに侵入を阻まれてしまうのだ。
しかもこのドア、ガラスのように見えるけど、防弾ガラスを使用してるって風の噂で聞いたことがある。
『こちらは教員棟です。
御用のある教員を提示して下さい』
チャイムの隣にあるタッチパネルが光る。
「ホントに……
こんな近代的なのは本の中でしかお目にかかれないよね……」
芸術科と記された場所を軽く叩く。
教員、副教員と次々に名前が出てくる。
その中から一つの名前を叩く。
『次に要件を提示して下さい』
質問、課題提出等の項目が並ぶ。
勿論、僕の要件は課題提出だ。
『そのままお掛けになって、暫くお待ち下さい』
合成音声の案内に従って僕は適当に座ってくつろぐ……
さて、桜庭桜花人気者プロジェクトはどうしようかな……
無駄に長いから、今度略称も考えよう……
いや、それはどうでも良くて……
桜庭さんの今の致命的な事って言うのは……
やっぱり、あの話題だな……
男を盗ったとか、そんな誤報だ。
アレがなければもう少しは周りの見方が変わるかもしれない……
でも、桜庭さんも言っていたけど……
それはかなり困難な事だ。
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