桜花激震!

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周囲の認識を変えると言うのは、殊の外とんでもない事だ。 既に桜庭桜花と言う人物像はこの学園では固定されている。 乱暴者な男漁り…… 注がれる視線は興味と嘲笑、侮蔑…… 男子からに至っては流れてるデマの所為で性的な視線を送るヤツも居る。 反論しない桜庭さんの行動も相成って…… それは『事実』になっている…… そう言えば先生達は桜庭さんの事をどう捉えているのだろうか? 学園にそんな不名誉な噂が流れてるんだ。 先生はノータッチで居るんだろうか? うーん…… 「待たせてすまない」 そうこう考えていたらコミュニケーション室のドアを開けて一人の女性が入ってくる。 「いえいえ……  こちらこそ、サボってすみませんでした……」 正確にはずっと寝こけてたわけだけどね…… 「本当にビックリしたぞ」 この人は千葉 千晶【ちば ちあき】 芸術科員の一人で、二年の副担当に当たる人だ。 茶髪のショートにきりっとした凛々しい顔つきをしている。 白衣のような服を常に羽織ってるのがどうやらトレードマークらしい。 「ところで……」 「どうした?  小神男子」 「峰月先生は……?」 峰月と言う人物は芸術科二年の講師なんだけど…… 「あぁ、峰月教諭なら……  また何処かでふらふらとしているのかもな……」 僕が桜庭さんに対して言った言葉。 『考え方とか捉え方が独特なんだろうね』 という言葉は…… 彼を見ているから出てきた言葉でもあったのだ。 峰月 要 【みねづき かなめ】 所謂美術家であって、その活動の幅は広い。 絵を描いて、書を嗜み、物を創造する。 彼の作った物はその悉くが大会で入賞、もしくは最優秀賞を取っているという芸術界における鬼才を持つ人物だ。 現役の芸術科でもあるんだけど………
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