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「……」
「……」
「……」
僕達は今学食に来ている。
いつも僕達が座ってる席は今、沈黙に包まれている。
いや、僕達だけじゃない……
周囲も同様だ。
「なぁ、おがっち……」
「ん?
何ハヤト?」
「気のせいか、人数が一人多いんだがよ?」
「そうだろうねぇ」
僕達は今四人でテーブルを囲んでいる。
メンツは……
僕、ハヤト、誠……
そして桜庭さん。
「何で暴れ桜が此処にいるんだよ……」
桜庭さんに聞こえないように小さく僕に喋ってくる。
「作戦その1、だよ」
僕も習って小さく返す。
「作戦って……
何の作戦だよ……」
「桜庭さんに対する不当な評価をどうにかするための、だよ」
「……あー……
でもよ、俺らが折られるかもしれないんだぜ?」
さっきからハヤトが落ち着いてないのは……
桜庭さんに対する拒絶反応だろうか……
「大丈夫、何もしなかったら何もされないよ」
言ってから気付く、これは噛み付き癖のある動物と接する時の言葉だなって……
「……よ……よし、じゃあ出来るだけ自然にやってみりゅ……」
噛んでる噛んでる
「落ち着いて、ね」
ハヤトが静かに深呼吸をする。
「ほ、本日はお日柄も良く……」
不自然すぎるッ!!
「何を言ってるんだ、今は夜だろう……」
誠は逆に冷静だ。
ざわざわ……
周囲も次第にざわめきを取り戻してくる。
だが、その中からも此方を少し指差して何かをブツブツ言ってるヤツもいる。
それが今の現状か……
僕や誠、ハヤトと居ても桜庭さんに対する奇異の視線は止む事がない。
でも、僕だけじゃなく……
誠やハヤトともちゃんと仲良くなれば……
誠は友達を見捨てないヤツだし、ハヤトは自分の友達があんな事をされてたら絶対に許さない熱血漢だ。
今よりも事態は前に向くハズ……
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