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「あ、もうすぐ9時だ…」 「帰るか?」 「うん」 「そ、送るわ」 帰りたくない、なんて思いながら外に出てみるとすごい雨が降っていた。 「やば、豪雨じゃん」 そう言った涼介の顔を見てみると、なんだか嬉しそうな気がした。 「俺ん家さ、この近くなんだよ。 雨宿りに来ない?」 「…、へ?」 「裕翔ん家までだったら ずぶ濡れになるぞ」 「あ、うん… 行きたい、な。」 「ああ、おいで」 あ、涼介が笑った。 この綺麗な笑顔にみんな騙されてきたんだな。 僕、もだけど。 「どうした?乗れよ」 「うん」 涼介の後ろに乗って、今度は自分から抱き着いた。
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