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「裕翔・・っ!」 「あ…、涼介。」 「探したんだぞ 知念と一緒に居たなら よかったけど、さ」 「どうかしたの?」 「いや、ただ一緒に 居たかっただけ… 裕翔、貰ってくぞ」 そう知念に告げた涼介は、僕の手を取り歩き出した。 周りの視線が、少し痛い。 「涼介っ、どこ行くの?」 「…俺の教室」 声のトーンが少し下がった。 怒ってるんだろうか。 教室に入ると、より一層視線が僕に向けられる。 涼介は気にならないのかな。 「見てんじゃねえよ。」 眉間に皺を寄せて周りを睨みつける涼介はやっぱり怒っているみたいだ。 涼介は窓際に向かっていて、その先にはやっぱりそういう人たちが集まっていた。 「お、山田の女?」 「ああ、」 「モテる男は違うなー」 「うるせえよ。」 そう親しそうに涼介と話すのは確か有岡くん? 「こいつ、俺のだから」 「わかってるっ、つーのっ」 「そんなこと言ってお前 この間手出しただろ」 「この間はこの間だろ?」 「とにかく裕翔には指 一本触れさせねえから」  
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