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涼介を思うと苦しくて、 悲しくて、辛くて 消えちゃうんじゃないかって 「うぅ…っ、」 こんなにも涼介が好き だったなんて、涼介が 居なくなった今改めて 気づかされた。 「……、ただいま」 そう呟いても返ってくる ことのない返事。 誰もいなくて良かった。 これで少しはゆっくり できる、なんてことを 思いながら重い足を動かして 自分の部屋へと向かう。 「…、ふぅ」 ベッドに寝転んで目を 閉じても浮かんでくる 涼介の顔。 笑顔がとっても綺麗な 人だった。 でも、最後に見た涼介の 悲しそうな顔が忘れられない。 頭に焼き付いてしまって 忘れることなんてできない。 「涼、介…っ」 自ら決めたことだけど 体が、心が、涼介を求めてる。 あの人の言葉が、きっかけ になったんじゃない。 いずれはこうなるはず だったんだ。 遅かれ早かれ僕と涼介は 一緒には居られないんだ。 そう言って必死で納得 しようとしていた。
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