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「あら、そうなのー?」 下から聞こえてきた お母さんの声。 寝ていた俺はその声で 目を覚ました。 「まだ、13時じゃん…」 もう一眠りしようと思った時 部屋の扉が開いた。 「なにあんた、出て行った んじゃなかったの。」 「っ、お母さん…」 きつい香水を匂わせて タバコを片手に入って きたのは僕のお母さん 「その呼び方やめて って言ってるでしょ 2日も帰って来ない もんだからてっきり 出て行ったと思った のに、帰ってきたの」 「あ、いや…」 「あんたなんか、産まなきゃ よかったわ、本当…」 「ごめんなさい、荷物 取りに来ただけだから…っ」 「そう、なら早く行って ちょうだい。」 そう言い残してお母さんは 部屋を出て行った。 僕のお母さんはこういう人。 「なら…、なんで産んだんだよっ」 そんなこと言うなら 最初から産まないで 欲しかったっ! 僕なんか最初から いらない存在なんだ。
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