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「お邪魔、します・・っ」 涼介が台所に行ったのを 確認して急いでリビング に向かった。 忘れ物なんて、してない。 「あった、あった ありがとう…。 じゃあ僕、行くね」 台所にいる涼介に そう伝えて玄関に 向かった。 知念のところに行こう。 いつもすぐに思う ことじゃないか。 そう、知念のところに…っ 「なんで、俺の目 見ねえの?」 「…、っ」 「そんな荷物持って どこ行くつもりだよ…」 「ち、ねんの…っ 家だよっ!」 駄目だ、今まで我慢 していた涙が次々と 目からこぼれ落ちた。 「っ、ふぅ・・っ」 「忘れ物なんかしてねえ くせに、なんで俺のとこ 来たんだよ」 「わかっ、ない・・!」 立っているのが辛くて 泣き崩れた僕の頭を涼介 の優しい手が撫でる。 「優しくなんか、っ しないでよっ・・!」 「…、ごめんな」 なんで涼介が謝るの そんなことされたら 余計涙が出てきちゃう。
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