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体で払う!? それはつまり…、 「むっ、むむむ無理っ!/」 「だって家族でも恋人 でもないやつの面倒みん のに、タダなわけないだろ?」 「そ、だけど・・っ なにしたらいいの?」 「あーんなことや こーんなこと(笑)!」 「意味わかんない・・っ!」 「そういうことだから」 「あ、ちょっと!」 僕の頭を軽くポンポンと 叩いた涼介は玄関に向かって 歩いて行った。 「ずっと傍に居てやり たいけど、バイトなんだ」 「バイト・・?」 有岡くんも、そんなこと 言ってたっけ? 「だから裕翔は留守番 よろしく」 「何時に帰ってくるの?」 「22時までだから 22時30分くらいかな」 22時30分ってことは今が 16時30分だからまさか 6時間も一人で留守番!? 「そんな露骨に寂しそうな 顔すんじゃねえよ」 「だ、だって・・」 「あ、じゃあご飯作ってて 風呂も先入ってて、着替えは その辺にあるから適当に」 そう言って涼介は財布から 出したお金を僕に渡した。 「パスタが食べたい」 「うん、わかった」 「俺が帰ってきたらちゃんと 笑顔でおかえりって言えよ」 「んへ?」 「それだけで癒されるから」 「くす、わかった!」 「後、なにも考えなくて いいから。ちゃんと俺が 守ってやるから大丈夫だ」 そういう涼介の顔は真剣 そのもので、それに応える ようにゆっくり頷いた。 一度僕を抱きしめてから 出て行った涼介。 不思議と寂しくならなかった。
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