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風呂から上がると裕翔は夕食を
温め直していた。
「カルボナーラ…?」
「そうだよって!/
服着てよっ!!!!/」
「上はちゃんと着てるだろ」
「風邪引いても知らないからっ」
俺の体を見て顔を赤くするのも
裕翔しかとらない行動だ。
女はみんな体にベタベタ触って
ベッドに誘うだけだった。
「風邪ひいたら裕翔が
看病してくれる?」
「自業自得だから、知らないっ。」
そう言う裕翔があまりにも可愛い
もんだから意地悪したくなった。
「わっ/ちょっ…!」
作業をしている裕翔の後ろから
ぎゅっと抱き付いて頬を寄せた。
「本当はすごいうれしかった」
「へ?」
「知念じゃなくて俺のところに
来てくれたことが」
本当に本当に嬉しかったんだ。
「りょ、すけっ…/
髪の毛、つめたいっ」
俺の髪の毛から水が落ちて
裕翔の頬を濡らした。
「…、ごめんな」
裕翔になにがあったか知らない
俺のせいなのかもしれない
俺が裕翔を泣かせたのかもしれない
でも、裕翔を幸せにしたい気持ちは
誰にも負けない。
「なにが?」
「いろいろだよ」
「涼介が謝る必要なんて
これっぽっちもないよ」
「俺は例え裕翔がなにか悪いことをしても
裕翔がしてないって言うなら信じるし
警察に追われていたとしても匿うよ」
「…ありがとう」
裕翔が好きだよ。
でも言葉にはしない。
たぶん、いっぱいいっぱいだと
思うから。
俺の気持ちを押し付けること
なんてでない。
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