プロローグ

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なつみは俺の顔を覗き込むと、 「駿ちゃん泣いてるの?」 と、言った。 俺は慌てて浴衣の裾で涙を拭いた。最悪だ!よりによって、なつみに見られてしまった。 どうせ馬鹿にされるんだろうと思ったが、なつみはなにも言ってこなかった。 その代わりになつみは俺のほっぺにキスをした。 俺が驚いた表情で見つめると、 「元気になるおまじないだよ」 と、笑った。 俺はいまでもこの時のなつみの笑顔が目に焼きついている。
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