プロローグ

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「母さんは?」 俺は1番気になっていたことを聞いた。 「んー迷子!」 「迷子?」 「そう。こじこじと一緒に迷子になっちゃった」 こじこじとは俺の弟のことだ。晃司だからこじこじだそうだ。 それより迷子なのは母さんじゃなくてなつみの方だろ、と思ったがグッとこらえた。 「そうなんだ。母さんも迷子か…」 「うん」 しばらく2人で寄り添いながら座っていると、遠くから母さんの呼ぶ声が聞こえてきた。 「母さん!!」 俺は大声で返事をした。 母さんは俺となつみの顔を見ると安心したのか「無事でよかった…」と安堵した。
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