写真

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「はい、終わり。」 「うぅー・・・。」 「ありがとう。」 恥ずかしさと疲れから 机に突っ伏していると ピッピッという機械音がして 撮った写真見てるんだなと思った。 「ねぇ、刹那。」 「ふぁい!?」 急に話かけられて変な声が出てしまった。 朔はクスクスと笑っている。 恥ずかしくなって、また机に顔を埋めた。 「最後に一枚。」 「え、終わりじゃないの?」 「好きな人いる?刹那。」 ドクンと心臓が跳ねたのが分かった。 自分の心臓の音がやけに大きく聞こえる。 少しだけ顔をあげるとカメラを持って真剣な顔をしている朔がいた。 「答えて。」 「い、いるよ・・・。 片思いだけど。」 「刹那でも片思いなんだ? 刹那、俺を好きな人だと思ってこっち見て。」 好きな人だと思ってって・・・。 私の好きな人は朔だよ、 と言えるわけもなく カメラだけを見た。 好きなのは朔だよ、 伝わって・・・。 「刹那。」 「・・・っ。」 「可愛いよ、顔見せて。」 朔に言われるがままに顔をあげる。 恥ずかしくてカメラを見てられなくなり 目だけ下を向いた。
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