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「ちょっと!!」
パシャリと言うシャッターの音で眠りかけていた私の意識は覚醒した。
2A の教室の廊下側の一番後ろが私の席。
昼休みに入り、次の授業の為に居眠りをしようとしていた私。
その目の前にいたのはカメラを持って『あ、やばい。』と言う顔をした朔。
顔と言っても朔は前髪で目が隠れているため口元しか見えないが。
「写真消してよ!」
「分かった、分かったから!!」
肩を掴み上下に揺すれば、気分が悪くなったのか
カメラをいじり消去してくれた。
機械音痴の私でも分かるように『消去しました。』という文字を見せてくれた。
それを見てほっと胸をなでおろした。
朔とはあの後も何回かコンクールの写真を見せてもらったりして仲良くなった。
今では名前を呼び合うまでの仲だ。
まぁそこまでなんだけど…。
「もう、何で写真撮るの。最近盗撮多いじゃん。」
「盗撮…。」
写真を撮られるのは好きじゃない。
上手く笑えないし、目をつぶってしまう。
私が写っている写真といえば全体写真のみだ。
「刹那の写真欲しいって人多いらしくて。」
「私の写真売る気!?」
「や、違くて。
刹那中々写真撮らせえてくれないらしいから、レアじゃん?
次のコンクールの写真刹那にしようかなって。」
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