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「え?」
「次のコンクールは被写体が『女』なんだって。
刹那美人だし。」
「え・・・?」
「ね、お願い。」
私の手をぎゅっと握ってこっちを見てくる朔。
朔は前髪が長く、口数は少ない。いつもカメラを手にしているせいか周りからは根暗と呼ばれている。
実際はそうでもないんだけど…。
これは私だけの秘密。
惚れた弱みというやつで
手を握られたりしたら
断れるはずもなく、首を縦に振るしかない。
すると朔は嬉しそうに口元をゆるめた。
「可愛く撮るから!放課後ここで。」
そういい残し朔は自分のクラス、2Bへと帰っていた。
好きな人と話せたこと、放課後会う約束をしたことからか
口元が緩んでいたのだろう。
その証拠に隣の席の私友達、中込梨奈がにやにやしながらはなしかけきた。
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