一緒に居たい

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トリップしたい。 トリップしたい。 トリップしたい。 そんな、まるで呪いのように毎日唱えていた言葉のとおり。 つい先日。 私は異世界へと若返りトリップを実現させた。 正確には私自身が可能にした訳ではなく、まぁ所謂ありがちな神様の気まぐれとかで云々……とまぁ前置きはともかく。 私は見事にトリップという非現実的な夢のような状況を果たした訳なのだけれど。 「……どういう事なの」 結論から言えば。 トリップした私にはお金どころか住む場所も戸籍さえも用意されていなかったのだ。 ただ幼くなった私に用意されていたのは私同様の幼い子供を育てる養育施設。 「あンの馬鹿……!!」 最早、憎悪しか沸いて来なかった……だって最強を望んだのに。 「こんなのってアリ?」 飲み食いには困らないとはいえ、親も何もない私に神様はこれからどうやって生きていけというのか。 「はぁー……何かもう頭が痛すぎて泣けてきた」 そんな時だった。 月に一度ランダムで里子を探しに来る人間がいると聞いたのは。 そして今日が正にその日だったりする訳で。 え、何この出来すぎた話なんて、警戒して居たのだけれど 。 まぁ、もしかして神様が何か企んでこうなってるのかなと無理矢理自分を納得させた。 そして。 「さぁ、皆さんご挨拶して」 施設内のお母さん的な保育士さんに促され私達は里子を探す里親達に挨拶をした。 「……こんにちわ」 うん。 多分、見るからにやる気ないです私、あはははは。 それなのに。 「……君の名前は?」 「……え」 里親達の中の一人に。 名前を聞かれた。 .
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