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その名前には聞き覚えがあった。
「もしかして……らぶか?」
あまり、自信はないのだけど。
「そう!」
私が昔のあだ名を言うと美少女――らぶかは微笑んで肯定した。
私の推理は正しかったようだ……良かった。
藤岡愛佳とは、小学生の同級生。
でも……中学に上がる前、らぶかって転校したと思う。
「転校、したよね? らぶかって……」
そう私が尋ねると、キョトンとした顔で答えるらぶか。
「そうだよ?」
「じゃあ……、どうしているの?」
私の疑問にらぶかは丁寧に答えてくれた。
「戻ってきたんだ。高校も凛音と同じ南沢高校」
それなら、心強い。
らぶかは、小学校の頃から姉御肌で、頼りになる子だった。
それに、同じ中学出身がいなかったため、不安だったからだ。
でも……その、言葉に1つ疑問がある。
「な、なんで私が南沢高校って知ってるの……?」
そう。そのことについてだ。
「だって、制服みなさいよ。同じよ?」
らぶかにそう指摘され、私は制服を見る。
……言われてみれば、本当だった。赤と黒のセーラー服。
「本当だねぇ……」
「今更? ……それより、凛音?」
私が関心したように呟くと、らぶかは呆れたように言って、話を変えた。
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