絶対服従!?

出会い

「ん？」

「らぶかじゃなくて愛佳って呼んでくれないかしら？」

急なあだ名変更の申し出。
私はその言葉に、疑問を持ち、尋ねた。

「なんでー？」

「……恥ずかしいからよ、らぶかなんて」

そうだろうか。
あだ名があまりない、私としては羨ましい限りなのだが。

……いや――前言撤回をしよう。面白いのは嫌だ。
昔、妄想女とか言われたからだ。

「……ちょっと？」

愛佳に心配そうに声を掛けられた。

そうやら、ボーっとしていたようだ。
私の……悪い、癖。

「あっ、ごめん。愛佳って呼ぶね！」

「ん……ありがと」

なんだか、愛佳って慣れないような気もする。

「あ、時間やばいわよ。遅刻する」

そんなことを話していると急に愛佳が、そう言った。

時間といわれ、何のことかわからなかったが、すぐ、今日が入学式だということを思い出す。
愛佳の言うとおり、時間はギリギリだと思う。

「愛佳、行こ！」

「うんっ」

私たちはそうして走り出した。