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「間に合った……」
と。
私が息を弾ませながら言う。
今は校門の前だ。入学式は9時から。
ちなみに、今は8時45分。微妙な時間だ。
「凛音、早くっ!」
愛佳に急かされて学校の中に入った。
入学式は体育館で行われる。
私たちはわかりやすい場所にあった体育館へ足を踏み入れる。
息を落ち着かせ、愛佳に声を掛ける。
「間に合ったね……愛佳」
「……いや、もうあたし達以外、みんな席にいるけど?」
そう言われ、周りを見渡せば、確かに私たち以外席に座っていた。
私の席を探すため、もっと詳しく見渡す。
すると、隣通しに並んである椅子を見つけた。
「あの空席2つかなぁ? 愛佳と私」
「そうじゃない? ってか、同じクラスよ?」
確かに。先程は気づかなかったけど、隣だから同じクラスとなる。
「やったねっ」
同じ学校だけではなく、同じクラスとは。
しばらく、小声で喋っていると何かの視線に気づく。
教員、生徒たちの鋭い視線。
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