-小説2-<kmon>1章完

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少年は愛を知らなかった 与えたことも与えられたことも無かった 少年は渇いていた 砂漠の真ん中で佇んでいるかのように 誰かがオアシスを見つけてくれるのを待っているかのように 少年は臆病だった 本当の愛なんて無いと信じていた 信じていようとした 少年は…… いつもと変わらぬ放課後 いつもと変わらぬように人が犠牲になっている。 ジャンケンで負けて選ばれた文化祭委員… その委員会が終わった後に神谷は一人で自宅へ向かっていた。 「全く…またこんなに遅くなっちゃった……」 そんな言葉を口にしながらも元々リーダー気質の神谷だ、顔は楽しそうだった。 しかし、そんな神谷の顔が曇ったのはその後すぐであった。 「チッ、アイツらもよくやるよなー」 同じクラスメイトの集団がカツアゲをしていたのだ。 毎日のように見る光景、それは神谷から関心を奪う程に日常的であった。 「ん、毎度ながら俺には関係無いなー」 被害者にならなければ良い。 そう、神谷はリーダー気質で人望もある程度厚いのだが、どこか冷めているのだ。 人と一線おいている。 それは周りの皆もわかっていて深入りはしない。
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