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朝から、それも男に。
「ちょっとさぁ……」
「神谷先輩っ!!?」
「んだよ、てめぇは?」
「コイツ、僕の後輩な訳よ。だから離してやってくんないかなぁ??」
「んな薄っぺらい体の奴が俺に楯突くたぁ生意気だっ!!」
そう神谷に怒鳴りつけたナンパ男はものの数秒後には地面へと沈んでいた。
勿論神谷の手によって。
「ほら、小野君?早く学校行かないと遅刻するでしょう?」
小野はさらりと何事も無かったかのように言う神谷に驚きつつも笑顔で
「はいっ!」
と答えた。
「それにしても神谷さんって強いんですね!」
「なに、その意外そうな目は。僕が薄っぺらいからって…」
「あ、いや…そういう事じゃあ無くて……ですねぇ…。格好良かったです!!」
屈託のない笑顔で言う小野を見て神谷はこういう所が狙われる原因だろうと思いながらも一応
「はいはい、ありがとう。」
と返した。
そのとき……
「おはよーございまーす、兄さぁーん。」
神谷と腐れ縁の杉田智和が二人の後ろから走ってきた。
「あぁ杉田君、おはよう」
「兄さんが誰かと登校なんて初めてみましたよー」
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