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確かに『そんな事無い』とは言えなかった。
気付いたら雄二郎の事を見ていた、という回数は計り知れないし
なにより雄二郎の一つ一つの行動や言動にいつも福田はドキドキしたりしていたのだ。
ごまかす事は出来ないようで。
福田は反論するのを諦めて恐る恐る頷いた。
「ちゃんと認めるとこは君も成長したのかな?」
「うっせぇ、雄二郎の馬鹿。」
「素直じゃないなぁ…」
『素直になれない』これは福田がずっと気にしていた事で。
そう言われて少し、ほんの少しだけ落ち込んだ福田に雄二郎は…
「そんな悲しい顔しないでよ、俺も君の事…好きだし。福田君には笑顔で居て欲しいからね。憎まれ口は程々にして欲しいけどさ?」
と、また優しい笑顔で言った。
その言葉に福田はきょとんとした。
「雄二郎さん、俺の事好き?」
「うん」
「マジで?」
「マジで。」
「嘘じゃない?」
「嘘じゃないよ」
「「………。」」
しばしの沈黙の後、福田は雄二郎に抱きついた。
「雄二郎さん」
「ん?なぁに、福田君?」
「好き。」
「俺もだよ。」
「雄二郎さん好き。」
「俺も福田君が好きだよ。」
「嘘、やっぱりラーメンの方が好き。」
「あのねぇ…」
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