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｢…み…ませ…っ、や…ぱ、みや…さっ…あいし…て…｣
｢えっ…小野君!!?小野君っ!?どうし…｣
｢PU-PU-……｣
電話が異様な切れ方をした。
まるでドラマみたいな。
誰かが言っていた。
現実は時にありきたりな昼ドラをこえる
最初の変化が小野君におこったのは１週間前だった。
｢神谷…さん｣
｢……………なに。｣
｢……何でも無いです、すみません｣
｢そ。｣
俗に言う倦怠感というやつで。
いや、こんなのはただの言い訳。
僕が小野君をちゃんと見てあげていなかった。
だから………だから
｢神谷さんって、｣
｢さっきから何なの、小野君。｣
｢すみま…せん｣
｢謝ってばっかでうざいなぁ…今ね？僕台本チェックしてるってわからないの？｣
｢でも………っ｣
｢でも、何？五月蠅くすんなら帰って。｣
｢……………はい、帰ります。失礼しました。五月蠅くしてすみません。晩御飯は台所に置いておきますね！｣
無駄に明るい声の小野君にそこで会話は終了だと顔もあげずに返事すらせず沈黙を突き通した僕は気付け無かったんだ。
―――小野君の不自然な調子に
よく考えたらわかるはずだった。
僕と小野君、どちらが謝るべきか。
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