ー小説4ー<kmon>完

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台本チェックを終えてお腹がすいた僕は 「小野君晩御飯。」 と思わず声をあげてしまい内心舌打ちをした。 何で居ないんだよ、と。 そう、帰れと言ったのは僕なのに。 台所にあった料理は無駄に豪華で、僕の好きな物ばかりだった。 アイツ、こんなに料理出来るならいつもから作れよ。 何で今日だけ…… と疑問に思いながらも日付を見たが何も予定などは無くて。 誕生日では無いし、祝日ですらない。 カレンダーにはいたって普通の黒文字で日にちが書いてあるだけだった。 そこで僕は思い出した。 今日が何の日であるか…などでは無くて小野君が珍しく僕に何か言おうとしていた姿をだ。 電話でもして何だったのか聞こうかと思ったけど面倒だし…何より気まずくて止めた。 今更僕から電話するなんて…と。 あの時電話したら今のような状態にはならなかっただろう。 一人で食べた晩御飯は豪華でとても美味しかったけれど何だか物足りない気がした。 その一週間後のラジオの収録日。 豪華な夕飯を一人で食べた日から僕は小野君と会っていないどころかメールも、ましてや電話で話す事もしていなかった。
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