ー小説4ー<kmon>完

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「もううんざりだ。」 君の優しさに甘える僕が 「別れよう?」 これ以上は君を傷つけてしまうから 沈黙が一時間くらい続いた気がした。 先に沈黙を破ったのは勿論小野君で。 「わ…かりっました。」 震えた声で、でも精一杯堂々とした声を出そうと頑張って答える小野君が愛おしくなった。 もう何もかも遅いけど 「ありがとう」 別れてくれてじゃない、僕に幸せをくれて。 ごめんねは心の中だけで呟くだけにしておくから。 僕はそっと通話を切った。 そう、切ってしまったのだ。 電話を切ってから僕は諏訪の適当な言い訳を信じ込んでいた小野君に申し訳無い気持ちになった。 本当はもっと申し訳無い気持ちになる事はあるんだけれど…。 諏訪は大方、「神谷さんが風邪っぽくて気分が悪そうだったので…」とか言ったんだろう。 諏訪は無駄に頭が良いから嘘つくのは得意そうだし…… 馬鹿正直な小野君には見破れないだろうしな。 畜生、別れてから30分も経って居ないのにもう小野君と復縁したいとか考えてる。 僕ってこういうキャラだったっけ? いや、違った気がする。 もっとサッパリと…サバサバしていた筈だ。 小野君によって変わったのか………。
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