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「はいっ…小野が…、神谷さんのせいでっ…小野がぁぁぁっ」
「ゃ…安元君、落ち…着いて説明してっ」
そう言う僕の声も震えていて、落ち着いているのとは程遠い声だった。
「俺今救急車の中に居るんです…っ、仕事帰りに歩いてたら小野を見かけて…駆け寄ったらそこに車が……っ…わぁぁぁぁぁぁっ神谷さんがっ神谷さんがぁぁっ」
「安、元君っ落ち着いて…すぐに行くから向かってる病院をっ、病院を教えて」
「っ、○○○病院…です……」
僕は電話を切るやいなやその病院へ向かった。
幸いというか何というか、そこは僕の家から幾分も離れていず、車に乗ったら30分程な筈だ。
急いで捕まえたタクシーに座ったが頭の中はまたグチャグチャだ。
何も考えられなかった。
僕がタクシーから降りた丁度その時、一台の救急車がやってきた。
その救急車から台車に乗せられて来たのは…
「小野君……っ、小野君!!……大輔ぇ!!!」
血で真っ赤に染まった小野君だった。
勿論意識は失っていて、その姿は僕の呼びかけも虚しくすぐに病院の中へと運ばれていった。
僕の視界は……その後すぐに真っ暗となった。
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