ー小説4ー<kmon>完

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だから俺言ったんです。『なんでそんなに料理の練習をするんだ、料理なんてゆっくりやってけば良いじゃねぇかよ』って。」 小野君が倒れていた? 料理を練習する為に? 知らない。 それも……知らない。 だってラジオとかの収録の時は疲れた笑顔で… 疲れた笑顔? 小野君は疲れていたのか? 僕はそれを見ていた? また見ていて知らないフリをしていた? でも小野君が料理を練習する理由って…… まてよ、料理を始めたのが今から2ヶ月前で笑わなくなってから4ヶ月してから、笑わなくなったのが付き合い始めてから半年くらいしてからだとしたら… 「そしたら小野言ったんですよ、『もうすぐ神谷さんと付き合い始めて一年だから、神谷さんの好きな料理を作るんだ』って。小野が倒れてる事も小野を傷つけてる事も知らないで何かあれば小野に八つ当たりしている相手の為ですよ?俺は勿論怒りました。『なんでそんな人の為に自分を犠牲にするんだ』ってね。でも小野は貴方を信じて…『神谷さんもきっと今は大変なんだよ。俺の料理で少しでも元気になってもらいたいからさ…迷惑かけてごめんね、安元。』って、あろうことか俺に対して申し訳なさそうに謝りましたよ。」
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