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小野君が…僕の為に……っ
料理を練習して、倒れて。
ボロボロになっても僕の為に……
泣きながら話している安元君を見て僕の目からも涙が零れ落ちた。
「それなのに貴方は…っ貴方は付き合い始めて一年目という大切な日も忘れて小野を家から追い出して……小野があの時どんな気持ちだったからわかりますかっ!!?当日は前からオフをとっていて、夜遅くに仕事から帰って寝る間も惜しんで自分の体を犠牲にしてまで貴方の為に尽くしたのに、裏切られたんですよっ!!??」
やっと気付いた。
僕はとんでもない事をしてしまったんだ。
何も気付いてあげずに勝手に小野君を傷つけて。
それでもまだ小野君が悪いとか思っていて。
最低だ。
自分の最低さに反吐が出そうになる。
「小野、あの後俺の所に来て泣いていましたよ。でも一言も怒りの言葉はありませんでした。『神谷さんに嫌われた』とか『俺が五月蝿くしたのがいけないんだ』とか『勝手に料理置いてきて迷惑だったかも』とか。『安元、せっかく教えてくれたのにごめんね』って言われた時には小野を追い出して謝りの電話やメールも寄越さない貴方を殴りに行こうかとも思いました。」
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