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俺はそれも許せなかった。神谷さんも、何があっても神谷さんしか見ていない小野も許せなかった。」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああっっっ」
静かに、悔しそうに語り終えた安元君とは反対に僕は発狂した。
声をだしていなければ舌を噛みきって死んでしまいそうだった。
看護婦さんがあまりの五月蝿さに僕を止めに来ても僕は声を出し続けた。
安元君はそんな僕を冷たい目で見ているだけだった。
それからどのくらい経ったのか。
手術中のランプが唐突に消えた。
出てくる医師に僕と安元君は立ち上がり詰め寄った。
「小野君はっ、小野君はどうなったんですか!?」
「小野は大丈夫なんですかっ!!?生きてるんですか!!!??」
医師は小さく目を伏せた。
「生きてはいます。ただ、今日が峠かと思います。私達も最善の努力を尽くしましたが…ここからは本人の問題ですね。今から病室へ移動をさせるので側についていてあげて下さい。」
また目の前が真っ暗になりそうになったが、それを無理矢理拒んで見開いた僕の目は台車に乗って来た小野君の姿を捉えた。
いつも真っ白な肌は青白くなっていて、体中に管を沢山つけていた。
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