-小説5-<kmon・臨静>

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池袋を色々巡っている間に時間は経過していたらしい。 そろそろ行かなきゃいけない時間に焦りつつも俺は収録現場へと一歩を踏み出した。 と、その時… ガッシャーンッ 「池袋に来んなっつっただろ、臨也君よぉ…」 「危ないなぁ、静ちゃんは…これだから暴力人間は嫌いだよ」 「あ゙ぁっ?安心しろ、俺もテメェが大っ嫌いだからなぁ!!」 ………。 冗談ですよね? 今、自動販売機が空を舞った気がしたんですが…。 そうだ、きっと俺は疲れすぎて居眠りしてるんだ。 そうに違いないと 頬をつねってみた。 …痛い。 オトン、オカン、兄貴… 俺、小野大輔は今日アニメの世界に入ってしまったみたいです。 それを認めた途端、俺の意識はフィールドアウトした。 ……フィールドアウトって確か退場って意味だったよな…。 意識を飛ばす前、最後に頭に浮かんだのはそんな事だった。 目を覚ましたら黒い天井がお出迎えしてくれた。 どうやら外では無いようだ。 そうか、さっきまでのはやっぱり夢だったのか… 「あ、起きた?」 神谷さんの声だ…。 良かった、神谷さんが居る… 神谷さんが…… ん? これは神谷さんの地声じゃなくて…
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