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「そんな事言って、行く場所無いんでしょう?」
「…ぅっ」
「帰れるまで此処に泊めてあげようか?」
その言葉はビックリするくらいにうれしかったが、さっきの事もあるから素直に頷ける訳がない。
「あ、変な事はもうしないから安心して良いよー」
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか臨也は今度は人を喰ったような笑みを向けてきた。
どうしようか悩んだが、此処は情報屋である臨也に頼った方が良いのかもしれない。
自分の環境適応力にビックリしながらも俺は
「…よろしくお願いします。」
と頭を下げた。
「大輔はさぁ…」
さっそく俺の事を大輔と呼ぶように決めたらしい臨也はパソコンをしながら、後ろのソファーに座ってコーヒーを飲む俺に声をかけてきた。
…ていうか、俺の方が断然年上なんだけど。
「神谷、だっけ?俺の声の人と付き合ってるのー?」
「……ゴホッ…ゴホッ…」
思わずコーヒーにむせてしまった。
「えっ、何で!?俺そんな事言った!!?」
「俺、こんな仕事だからさー。人の感情とか大体わかるんだよね?」
「…どこでわかったんですか」
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