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カフェからの帰り道、若菜は唐突に切り出した。
「琴音。
気をつけないと見えるよ」
「は?」
突然の脈絡のない言葉に首を傾げる。
「だから、そんな風にしたら見えるってば。
まあ……わざとだって言うんなら別にいいんだけど」
「だから、何の話?」
一向に要領を得ない若菜の話に、再度大きく首を傾げる。
そんな私の様子を見て、若菜は半ば呆れ顔で自分の首をトントンと指で叩き、あっさりと言い放つ。
「キスマーク。でしょ?
それ」
キ、キス……っ!?
その単語が引き金となったのだろうか。
途端に首筋が熱く疼きだす。
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