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疼きと共に思い出したのは、昨晩の鳳院さんの言動。 首筋に顔を寄せられた時に感じた妙な感覚は、強く吸われた感覚だった訳で……。 『これで許してあげる』 という言葉も、 『髪あげてきてね』 という言葉も、この跡の為だった。 「嘘……そんな……」 全く気付かなかった恥ずかしさと、初めて付けられた跡への戸惑いがごちゃ混ぜになり、パニック状態のまま慌てて首を押さえる。 全身が一気に熱くなり、言葉が上手く見つからない。 若菜は私のおろおろした姿を楽しそうに見ていた。 ひとしきり楽しんだ若菜は、笑いを堪えながら話を続ける。 「大丈夫。ぱっと見は見えないよ。 私だって、さっきカフェで琴音を見下ろした時に初めて見えたんだし」 さっきの無言の凝視はそういう事だったのか。 しかし、かなり恥ずかしい。 誰かに見られてないか……。 「あ」 思い当るふしがあり、思わずその場に立ち尽くした。
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