理由

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暫くして、背中にきつく回されていた腕が強固な縛めを緩めた。 そしてゆっくりと離れていく。 だけど、一度遠ざかった筈の腕は再度私へと伸ばされた。 鳳院さんは私の髪を優しく梳き、今はもう冷たい焔が消え去った瞳を軽く細めた。 「明日は、髪……あげてきてね」 突然告げられた脈絡のない言葉に、頭の中では疑問符が飛び交う。 ……何で? 「見たいんだ」 何故そんなことを突然言い出したのか。 腑に落ちない点は多々あったが、断る理由もないので、釈然としないままも小さく頷く。 すると、ふわりと柔らかい笑みを浮かべ私の頬を撫でた。

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