1.紅色の満月

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「――っ! ぼ、ボクは!!」  がばぁっと、起きるボク。しかし、周囲を見渡すと、真っ白い空間とボクが寝ているベッドだけが存在していた。  首を傾げて、とりあえず刺された場所を触ってみると……刺された痕は既に無かった。  不思議に思っていると、言い争っているような声が聞こえてきた。ボクは上半身だけ起こした格好で、ベッドから声がした方を見る。  すると、金髪で白い翼の女性が手に指揮棒みたいな物を持って立っている。  何故か凄く怒っているようだったので、ボクは少し体をずらしてみる。すると、金髪さんの前に紅髪の女性が正座しながら涙目で金髪さんを見ていた。 「えぇい、神よ! 何であんな可愛い子を殺すんですか!!」 「だ、だって! 可愛いじゃん! 可愛い子、大好きだし……私の物にしたいじゃん!?」   ……なんか、色んな情報が入ってきました。ボクに整理できるか分からないけど、整理してみますね。  まず、ボクは死んだということ。あの金髪さんが言うんだから間違いは無いはず。というか、羽生えてるし。  そして、ボクが死んだ理由が……あの紅髪さんだっていう話。え、でもボクはあの女の人に刺されたんだよね……? 「だからって、貴女の人形を使って彼女を殺すなんて……」 「いやね、普通に事故死させるのも可愛そうだったし。それに、デートの途中みたいだったし?」  紅髪さんがそう言った直後、金髪さんが紅髪さんを足蹴りして怒鳴っていた。うん、ボクもその選択肢で間違ってないと思う。  暫く金髪さんの足蹴りを食らっていた紅髪さんだったけど、急にボクのほうをみて何か言っている。  その言葉に反応した金髪さんはボクを方を見る。すると、顔を真っ赤にして踏んでいた紅髪さんを更に力強く踏みつける。 「あ、どうも」 「――あ! あぁ……すみません。起こしてしまったようですね?」  ボクが喋るとボクに反応してくれる金髪さん。にこやかに笑うと、再び紅髪さんを踏みつける仕事に戻った。  紅髪さんが何かを喋りたい感じでボクを見てたけど、金髪さんの足技の前に何もできずにいた。というか、涙目を通り越して泣いてない? 「う、うぐぅ……ごめんなぁさい……」  金髪さんの足の下で、とうとう紅髪さんが泣き出したので金髪さんが凄まじい勢いで慌て始めた。  その光景をボクはただただ呆れながら見てるしかなかったのだった。
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