1.紅色の満月

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「私はこの子のお世話をしているリランと申します。で、この子が……まぁ、一応神様です。ほら、挨拶!」 「はいはい! 私はルカンです! 一応神様やってたりします!」  金髪さん――もとい、リランさんが紅髪の神様であるルカンさんの頭を撫でながら、挨拶をしてきました。どうやらルカンさんは泣き止んだようだ。  リランさんはお姉さんみたいな雰囲気を纏っている。金髪で全身青い鎧とかを着ている。なんか強そうだと思う。  で、ルカンさんは幼いような雰囲気を持っているものの、純白の衣装は何処か神々しいものを感じる。 「あ、どうもです……。ボクは、百合亜ですけど……知ってますよね?」  ボクの言葉に二人は頷くと、ルカンさんがいきなり土下座をしてきた。――いや、良く見るとリランさんが背中を足で押さえていた。  ちなみに今のボクの服装は学校の制服――ではなく、紅いフリルが沢山付いたドレスだ。でも、そこまで派手じゃないのが嬉しいかも。  ルカンさんが少し苦笑いしながら、ボクを見る。すると、いきなりボクの目の前に一本の杖が現れる。 「とりあえず、死の数秒前まではさっき見た……よね? それ、私がやっちゃったことなんだけど……ごめん……」  しゅん……。としているルカンさんと、ため息を吐きながらも頭を撫で続けるリランさん。リランさんはボクを見ながら少しだけ微笑む。  多分だけど、許してやってくれってことなんだろうけど……うーん、どうしようかな?  ボクがそんなことを考えていると、ルカンさんが立ち上がってボクの目の前に一枚のカードらしいものを差し出す。 「というわけで……これ、受け取ってくれる?」  ルカンさんの申し訳ない気持ちであるカード。何の絵柄も、何の文字も書いてないカードを受け取る。すると、カードが光り輝き、ボクの中に吸い込まれていく。 「……え?」 「そのカードは、神様の能力が一部だけ使える『神技カード』! 何となんと! 自分の思いのままに能力を設定できる、その名も『設定変更』!!」  正直、ボクはルカンさんのテンションが判らなかった。隣のリランさんは呆れながらも未だに撫で続ける。いつまで撫でるんですか。 「二つ目は、百合亜ちゃんが好きなように! どんな魔法でも! 自由自在に! 発動することができる『創造魔法』!」
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