独占欲。

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「やっ…!」 飛鳥(あすか)は構わずに、こちらに手を伸ばしてくる。 空き教室の隅にまでおいやられてしまった雛(ひな)には、もう逃げ場が無い。 「何で逃げるの?」 飛鳥はやれやれといって、わざとらしく肩をすくめて見せる。 その間にも、雛を逃がそうとする暇を与えないと言わんばかりに、じりじりと雛と飛鳥の距離は狭まっている。 「あなたが追いかけて来るからでしょう!?」 雛は後ろの冷たい壁が背中に当たるのをいっそう感じながらも、精一杯声が震えないようにしながらも、訴える。 「へぇー、逃げるのはやましい事があるからなんじゃないの?」 「なっ・・・」 雛が反論する暇もなく、強引に壁に両手を抑えつけられ、飛鳥の鋭い目に捉えられてしまった雛は、少しも動く事が出来ない。
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