そして僕は決意する……多分

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 幸い誰の気配を感じられない。ここでゆっくりと時間を潰すとしよう。とりあえず炭酸でも飲もうと紙コップ型の自動販売機にお金を入れる。  数秒後には八割ぐらいまで満たされた紙コップが取り出し口に出てきた。お釣りを忘れずに取って快適そうなソファーに座る。  一口飲んでから目の前に置いてあるテーブルに紙コップを置いた。一息入れてから体重をソファーへと預けた。まるで家にいるような立ち振舞いだ。  ここを利用する人があまりいないのか、同級生どころか正義の味方の人まで見掛けない。それはそれで気が楽だから構わないけど。  一種のプライベートルームになりつつあるこの空間に入ってくる一人の人物が乱入してきた。その人は自動販売機へ見向きもせず、椅子にも座ろうとしない。もしかして唯一ここにあって僕が座っているソファーが狙いなのか? 「福野優介君かね?」  どうやら僕に用があるらしい。 「そうですけど……」  だけど僕はこの人のことを全く知らない。知らない人が僕の名前を知っているなんて恐い。 「君と話がしたいんだがいいかな?」 「…………」  嫌だ。って答えたいけど彼の表情を見る限りそんなことを言う空気ではないんだよな。僕としては知らない人には着いていかないという格言に従いたいところ。 「……分かりました」  まぁ、冗談ではないみたいだし話ぐらいは聞くとしよう。どうせ暇だし。
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