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「……………」
僕は無言を貫く。目を閉じて坂之上さんの言ったことを脳内で復唱する。
答えを言う前に気になったことを聞くことにした。それから決めてもいいだろう。瞼を開き、坂之上さんと目を合わせる。
「坂之上さん。もしかして今回の社会科見学というのは……」
「そう、君と話す機会を作る為に私が提案した」
なんという我が儘。これは流石に関係ない人を巻き込み過ぎだ。
「いきなり僕を四聖剣に推薦しても反対する人が多いに決まっています。それにもっと相応しい人がいるはずですよ」
「確かに実力だけなら何人か候補はいる。しかし四聖剣になるには色々と複雑な事情があるんだ」
どうしてか分からないけど僕はその事情とやらを乗り越えているらしい。多分坂之上さんの一存だとは思うが。それでなんとかなるかもしれない辺り、坂之上さんは相当な権力を持っている。
まぁ、本部にこんな部屋があるだけでも察しはついていたけど。しかしどうやって回避しようか……
「そもそも父さんが四聖剣だったからといって僕もなりたいとは限りませんよ」
これでどうだ?
目をぱちくりと瞬かせる様子を見るからに効果抜群だ。
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