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「それはあまり説得力がないよ。現に君はこうして正義の味方になる為の学校に通っているじゃないか。そしてそれは優一の後を継ぐためだろう?」
そう思うのは至極当然。そう言われると僕としてもキツいところだが、言ってしまった以上後戻りは出来ない。なんとか言い訳をしよう。
「家から近い学校を選んだら偶々そこだっただけです」
「……ふむ、あの家か。確かに近い。それにしても通う理由までも優一と一緒とはな」
この時既に僕は、表情に出していないが内心苛ついてきている。理由は他でもない。この人は、坂之上さんは、さっきから僕を見ていない。
それは視覚的なものではなくて、坂之上さんは僕を個人としてではなく父さんの息子という形で接している。しかし仕方ないのかもしれない。だけど納得は出来ない。
「何度も言います。僕は四聖剣になるつもりはありません。大体坂之上さんは僕の何を知っているんですか?」
表情は変わらずとも言葉には少し棘ある言い方をしてしまった。
「…………」
拒絶に似た何かを感じ取ったのか沈黙する坂之上さん。
「確かに君との関係は深いとはいえない。図々しい頼みかもしれない。それでも私は君に、福野優介君にやってもらいたいんだ」
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