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「世界の為に正義の味方として頑張った父さんが死んだ。あんな優しかった母さんが死んだ。本当……ふざけんなですよ。……坂之上さん、僕は正義の味方の存在意義なんてないと思っているんです」
最後の言葉に坂之上さんは反応した。こればっかりは見過ごせないと云わんばかりに。
「それは違う。確かに優一達のことについては悲しい出来事だ。だがそれは正義の味方となんら関係はない。それに優一は正義の味方が必要だと認識していた!!だから彼は四聖剣を務めたんだ!!」
「嘘だ!!正義の味方なんて意味がないじゃないか!!大体正義の味方は何の為にある!?悪の組織の危険から守る?それだけか!?そんなことしかしないのか!!」
敬語も忘れ、ただただ熱くなって僕の思いを撒き散らす。そして興奮のあまりいつの間にかソファーから立ち上がっていた。対して坂之上さんは座ったまま僕を諭そうと頑張っている。何故かそれが無性に腹が立つ。
「なら君は優一がしてきたことを否定するのか?」
「っ……!!」
「違うだろう。君はさっき言ったはずだよ、『父さんが正義の味方で嬉しい』と」
「なら……なら……どうして正義の味方は父さんと母さんを守ってくれなかったんだ!!何が正義だ!!そんな無力な正義なんかに、僕はなりたくない!!」
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