そして僕は決意する……多分

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「嫌です」 「まだ何も言ってないじゃないか。話ぐらい聞いてくれてもいいだろう」 「嫌な感じがするので遠慮します」  全く、図々しいを越えて尊敬すらしそうだ。どうしたら今の僕に頼もうと思えるんだろうな。 「お願いだ、話だけでも聞いてくれないか?引き受けるかどうかは君に委ねる」  だから嫌だって言ってるのに。全く、仕方ない。 「分かりました。とりあえず話だけは聞きます」  いつでも立ち上がれるように力を入れていたけど一旦止める。さっき騒いで所為もあり若干疲労が出て、休める意味で完全にソファーに寄り掛かる。 「実は優介君と戦ってほしい人物がいるんだ」  ああもう、面倒くさいことになりそうだな。 「あのですね、はっきり言って僕はお世辞にも強いとは言えません。それは学校の成績が証明しています。それこそ僕より強い人はここに沢山いるじゃないですか。その人達に頼んで下さい」 「ふふ……嘘を吐いたね。あまりにも堂々としていたから分かりにくかったよ」 「どうして嘘だと?」  前言撤回。この人と話すだけでも面倒。 「さっき君は、正義の味方になりたくないと言った。あの言葉が真実なら君が学校で本気を出すとは思えない。それに、私は優一から聞いているんだ」
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