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「…………何をですか?」
訝しげに訊ねる。果たしてそれが真実か分からないが、そんなに自信満々な笑みを見るとそんな気がしてくる。
「君が才能に溢れていることをね。優一はよく君のことを、私を含めた友人に自慢していたから忘れることはなかったよ。『俺の息子の奴めっちゃ強いぞ!?歳が俺と同じぐらいになったら絶対(ぜってー)俺より強くなる!!』聞かされた自慢話はまだまだ他にもある」
……確かに僕に戦い方を教えてくれたのは父さんだ。小さかったという理由もあるが全然父さんを倒せなかった記憶がある。その時は超能力も使えてなかったから、かすらせるだけでもかなり苦労していた。
「私がその話を聞いていなかったら騙されたかもしれないが、それはあくまで『もし』の場合。君の本来の実力は相当なものだと知っている私にとっては通用しなかったね」
「……早く話してください」
くそ、なんだか負けた気分だ。優越感に浸っているのかと錯覚しそうな顔で坂之上さんは話を進めてくれた。
「優介君に戦ってほしいのは、自己紹介の時に言葉だけで出てきた私の娘なんだ」
この人は馬鹿なんだろうか。
「まぁ、君がそんな顔をするのは分かる。どうして自分の娘を戦わせるのか疑問に思っているんだろう?」
平たくいえばそういうことになる。だけどそう口にせずともこの人は勝手に進めていく。
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