そして僕は決意する……多分

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「自慢になってしまうが娘は腕っぷしに関して才能があるんだ。それはもうかなり強い。どれほど強いかというと、四聖剣候補に挙がっているぐらいなんだ」  ははーん、そういうことね。確かに自慢話として捉えてしまう可能性が高い内容だな。……それで? 「強いことは分かりました。四聖剣候補に挙がっていることも理解しました。けどどうして僕が戦わなくてはいけないのか分かりません。それこそ四聖剣の人達に戦わせればいいじゃないですか」 「確かにその通りではあるんだが、四聖剣は特別なんだ。彼らと肩を並べることが出来るのは同じ四聖剣のメンバーのみ。いくら私の権限でも娘の為に私情で四聖剣と戦わせることは叶わない」  坂之上さんが偉い人だということは感付いてはいたが、それでも出来ないこともあるらしいな。やれやれ、組織とは大変だな。 「まぁ……そうですかとしか言えませんが……とにかく戦いませんよ」 「そこをなんとか出来ないかな?私に出来ることなら何でもするから」 「何でも……ですか……。なら坂之上さん、二度と僕を苛つくような発言はしないで下さい」  そんなことは実際に出来るわけがない。人の心が読めない限り、不用意に発した言葉が僕を苛つかせるかもしれないのだから。だからつまり、隠れた意味で話し掛けるなと言っているわけだ。
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