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「……分かった、約束しよう。だから君も守ってもらう」
お安いご用、とまではいかないがなんとか取引成立だ。そこまでして僕を戦わせたることは理解出来ないけど、この際どうでもいい。
それからただ座って時間が過ぎるのを待っていた。僕としては早く終わらしたいところだが、戦う部屋の空きがあるかないか探したり僕の相手である坂之上さんの娘の居場所を確認したりと、地味な作業がある為にそれは困難。
それらは全て坂之上さんが引き受けてくれた。まぁ、当然だろう。
「都合が良いことに娘は既に訓練所へ行っているらしい。私達も向かうとしようか」
ようやく移動か。もう少しで眠りに入るところだった。これだけ設備が良いのにも関わらず移動は徒歩。戦う前に体力が切れて終わりそう。
場所が分からないから坂之上さんの後をついていくしかないので先程と同じ形ように本部を動いて回る。坂之上さんと違って本部を熟知していない僕にとってちゃんと向かっているのか不安になる。
まぁ、杞憂だったわけだが……。
しかし結構歩いているのに誰ともすれ違わない。偶々なのか意図的に人通りの少ない所を歩いているからか。
それにしても坂之上さんの娘か……。どんな人か気になる。可愛い人かもいれないし美人な人かもしれない。……それに当てはまらない可能性もあるけど期待はしておくことにしよう。
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