そして僕は決意する……多分

30/54
前へ
/180ページ
次へ
 自動ドアと連動してあったのか、ドアが横に開くと直ぐ様室内の蛍光灯に光が灯った。観戦する為の部屋だ、所詮普通の部屋だろうと高を括っていたがそれは間違いだったとすぐに改めることになった。  そっち系には詳しくはないけど見た感じ最新式のコンピューターに、スクリーンで映すことが可能なプロジェクター。他にも様々な備品があった。おおよそにではあるが何の部屋か予想がついた。 「この部屋……ちょっと設備良過ぎません?」 「もう気付いたのか?気付くのが早いな。優介君の言う通り、ここはただの観戦部屋ではない。それを説明するには多少長くなってしまうが構わないだろう?」  嫌だと言っても話す気のくせに何を言っているんだろうな。はいどうぞ、話を続けて。 「まずは娘が使っている部屋について説明する必要があるだろう。数ある訓練場だが部屋の番号によって意味合いが変わってくるんだ」  すると一旦言葉を切って部屋に備えてあるテレビに視線を向けた。テレビには縦横無尽に駆け巡る一人の少女が映っていた。どれくらい前からここで訓練しているのかは分からない。それでも長時間動いていたことを証明することは滝のように流れる汗が証明していた。 「一から九は普通の訓練場となんら変わりがない。精々想定するシミュレーションや広さが違うぐらいだ。しかし十番からはかなり違う。その理由の一つに使える人が限られている点が挙げられる」
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24287人が本棚に入れています
本棚に追加