そして僕は決意する……多分

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「それは一体どういうことですか?別に幅広く使わせればいいじゃないですか」 「試しにそこから室内を覗いてみてごらん。私の言いたいことが伝わるはずだ」  この観戦部屋の一面はガラスとなっている。訓練場を見下ろす形で観戦できるからであり、言われた通りガラス越しから見てみた。 「ほほー」  思わず感心してしまった。確かにこれは使う人が限られる。この部屋で満足に訓練できるほど人達は、結構な実力を持った人だけ。 「どうだ、すごいだろう?」  そこであなたがドヤ顔するのはなぜだ? 「まぁ、確かにこれは凄いですね。こんな訓練方法は見たことはないですね」  体育館程のスペースに『人間』は一人だけ。それを補うかのように機械が大量に溢れかえっていた。 「……それであれはなんですか?」 「あれは練習用の機械でこの部屋の特徴でもある。『自立型機械人形』……私達はあれをゴーレムと呼んでいる」 「……ゴーレム」  ゴーレムってよくゲームとかに出てくるやつだよな。しかし遠目から見ていてもその出来映えに感嘆してしまう。ゴーレムは人間を模していて頭があり手足もある。  所詮機械だと侮ってしまいそうになるが一体一体の動きに、機械ならではのぎこちない感じがしない。
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